中小企業の「ひとり情シス」から始めるIT体制
小さな成功でITを自走化
内製化ロードマップ
専任の情報システム課を、いきなり大掛かりに立ち上げる必要はありません。
まずは、経営と一緒にITの役割と優先順位を整理し、社内の「IT担当・推進役」をはっきりさせるところから始めます。
そのうえで、小さなプロジェクトで成功体験を積み重ねながら、
標準化・ルール整備・内製スキルの育成へとステップアップしていきます。
このロードマップ全体を社外CIOの立場から伴走します。
サービス概要
ITはもはや「システムの導入」だけではなく、事業そのものを支える経営インフラです。
中小企業のIT体制を「外部任せ」から「自社で判断できる状態」へ移行するための支援です。
社外CIOの立場から、IT戦略づくり、情報システム課/IT担当者の立ち上げ・育成、
運用ルール・標準化、ベンダー調整までを一貫して伴走します。
サービス対象企業・規模
・専任の情報システム部門がない、またはひとり情シス状態の企業
・製造業・卸売業・サービス業など、業種は問いません
コスト負担のイメージ
・フルタイム採用1名分よりも低い固定費でスタート可能
・フェーズに応じて支援ボリュームを調整し、過大投資を避けます
支援範囲
・IT戦略・ロードマップの策定支援
・情報システム課/IT担当者の役割定義・組織設計
・運用ルール・業務標準化・KPI設計
・ベンダー選定・要件整理・プロジェクト伴走
・社内メンバーの育成・トレーニング
メインのゴール
・「ITのことは外部任せ」から、「自社で判断できるIT体制」へのシフト
・現場が自ら改善を回せる、小さくても強いIT組織づくり
サンプルプラン
半年〜1年で、IT担当1名+兼務メンバー数名による“ひとり情シスチーム”を立ち上げ、
重要プロジェクト1〜2件を内製主導で進められる状態を目指します。
支援内容
IT部門立ち上げから運営まで、段階的にサポートします
フェーズ別ロードマップ
IT部門・情報システム課の立ち上げを、「準備期〜成熟期」まで5つのフェーズに分けて伴走します。
自社の現状に応じて、途中のフェーズからのスタートや、一部フェーズのみの支援も可能です。
準備期
(計画・戦略立案)
現状のIT環境/課題/コスト構造の棚卸し
経営目標とITの役割/優先順位の整理
「何のための情報システム課か」を言語化
ロードマップと、おおよその投資計画の作成
基盤整備期
(体制・ルール設計)
IT担当者/情報システム課の役割と責任範囲を定義
兼務担当も含めた体制パターンの検討
ITガバナンス方針・基本ルールの整理
標準化すべき業務・システム領域の洗い出し
立ち上げ期
(チーム発足・初期プロジェクト)
担当者の選任/採用/オンボーディング支援
最初の重点プロジェクトの選定(例:基幹システム、業務改善など)
ベンダー/ツール選定と要件整理の伴走
小さな成功事例をつくり、社内の信頼を高める
成長期
(内製化の範囲拡大)
内製で対応できる領域の整理と優先順位付け
改善サイクル(PDCA)の定着支援
運用ルール・ドキュメント整備の徹底
専門外は外部を活用しつつ、「自社で決める」体制を強化
成熟期
(自走・最適化)
中期IT投資計画の策定・見直しの内製化
全社横断のITポリシー・セキュリティ運用の確立
KPIに基づく評価・改善の仕組みづくり
社外CIOの役割縮小/必要に応じたスポット支援への移行
組織体制構築
経営・現場・ITがバラバラに動かないよう、役割分担と意思決定の流れを整理し、
小さな組織でも機能するIT体制を設計します。
組織設計の基本方針
企業規模や事業特性に応じた最適な組織構造を設計します。階層構造、役割分担、意思決定プロセスを明確化し、効率的な運営を実現します。
- 事業部門との連携体制構築
- 権限・責任の明確化
- 報告ライン・コミュニケーション設計
- KPI・評価指標の設定
段階的な組織拡張
小規模からスタートし、事業成長に合わせて段階的に組織を拡張していく戦略的アプローチを採用します。
※中小企業の場合は「専任1名+兼務数名」など、会社規模に応じたスモールスタートをご提案します。
- 初期チーム(3-5名)の編成
- 中期拡張(10-15名)への移行
- 本格運用(20名以上)の体制構築
- 専門チーム・部門の分化
管理機能の整備
・IT投資・コスト管理の仕組みづくり
・IT方針・ルールの策定と周知
・社内からの相談窓口の明確化
・経営層への定期レポート運用
業務横断の窓口
・業務要件の整理と優先順位付け
・現場の課題・要望の取りまとめ
・プロジェクトごとの体制づくり支援
業務プロセス設計
・手作業・二重入力などの改善ポイント整理
・標準フロー・標準帳票の設計
・IT化・自動化とのすり合わせ
運用プロセス設計
・権限管理・アカウント管理ルールの整備
・変更管理・リリース手順の整理
・運用KPI・チェック項目の設定
人材採用支援
情報システム課やIT担当者を新たに採用・配置する場合、
「どんな人を、どの役割で迎えるか」を明確にするところから支援します。
採用戦略の策定
・自社の事業・IT方針に合った人材像の整理
・中途採用/社内登用/外部パートナー活用の組み合わせ設計
・採用市場の相場感の共有
求人要件の明確化
・必須スキル/歓迎スキルの整理
・業務内容・ミッションの言語化
・求人票・募集要項の作成支援
選考基準の設定
・スキルだけでなく「社内調整力」「学習意欲」など重視ポイントの明確化
・選考プロセス(書類・面接・課題)の設計
組織マッチングの支援
・候補者の強みと社内の期待のすり合わせ
・入社後の役割・キャリアパスのイメージづくり
人材要件
内製化成功のための重要な人材スキルと要件
内製化を支えるIT人材に求められる要件を、「技術・マネジメント・コミュニケーション」の3つの軸で整理します。
すべてを一人で満たす必要はなく、チームとしてバランスを取ることがポイントです。
開発スキル(技術スキル)
・業務システム・クラウドサービスの基本構造の理解
・データベース・ネットワーク・セキュリティの基礎知識
・ノーコード/ローコードツールの活用力
・クラウド(例:AWS、Azure等)の利用経験があれば尚可
・UI/UXへの基本的な関心
マネジメントスキル
・IT投資と業務効果を結びつけて考える力
・プロジェクトの進行管理・スケジュール調整
・ベンダー・社内関係者との折衝・契約内容の理解
・リスク・コスト・品質のバランスを取る判断力
・中長期的なITロードマップを描く力(チームで補完可)
コミュニケーションスキル
・現場の課題を引き出すヒアリング力
・専門用語をかみ砕いて説明する力
・経営層・現場・ベンダーの三者をつなぐ調整力
・社内で信頼関係を築き、協力を得る力
・変化に対する不安を和らげる対話力
メリット・デメリット比較
内製化の客観的な評価と判断材料
内製化はメリットも大きい一方で、初期の負荷や人材リスクも伴います。
貴社の規模・方針に合わせて、「どこまで内製化し、どこから外注を活用するか」を一緒に設計します。
メリット
コスト面
- 外注費の削減と、投資対効果の見える化
- 継続的な改善により、長期的なITコスト最適化が可能
スピード・品質面
- 社内で意思決定できるため、改善サイクルが早くなる
- 現場の声を直接反映したシステム運用ができる
ノウハウ蓄積
- 業務とITの両方に精通した人材が社内に育つ
- 事業戦略と連動したIT企画ができるようになる
デメリット・課題
初期投資・リソース
- 立ち上げ時は、担当者の負荷が一時的に高まる
- 採用・育成に時間とコストがかかる
人材リスク
- キーパーソン依存になるリスクがある
- 退職・異動時の引き継ぎ計画が重要
スキル・体制の限界
- 高度な専門領域は、外部の力が不可欠な場合もある
- 内製・外注のバランス設計を誤ると、逆に負担が増える可能性がある